NPO北海道ネウボラ名誉顧問 五嶋耀祥(ごしまひな)一般社団法人ファミリー支援INV協会 代表理事/ハッピーファム合同会社 代表社員/北海道子どもの未来づくり審議会委員
私たちの世代は氷河期世代、ロスジェネ世代などと呼ばれ、少し上の世代から比べると少子高齢化社会と呼ばれる現代、人口が先細りし始める先陣を切った世代と言えるかもしれません。
しかも、日本のバブル崩壊とともに、満足な就職先がなかったり、その後のリーマンショックの影響を大きく受け、非正規雇用が拡大、正社員であっても賃金が低下するなど不遇な雇用環境を体験してきた世代でもあります。
キャリアの維持やその生活の維持のため、高齢出産、かつての世の中よりも高年齢での子育てを余儀なくされる時代となってきておりますが、私自身は現在42歳ですが妊娠年齢が人より少しだけ早めの26歳だったことから、同世代の子育てより早くその体験をしてきたと言えるのかもしれません。
世代の境目、人口変化、環境変化、IT化など技術革新により時代の変化が著しい21世紀となり、子育てや地域の在り方についても新しい時代にあった形が求められています。新しい社会を創ることは容易ではありませんが、それは私たちの老後のためでもあり、子どもや孫世代の為という事でもあります。
本事業は、私のあの無明苦、真っ暗闇のトンネルの中にいるような、暗黒の子育て乳幼児期と振り返る過去の「あの時、あったらよかった」を実現するサービスプランです。
人と話す機会もなく孤立していた上に、貯蓄が無かったため、ほんの少しの経済的な余裕もなかったあのころ。
私と子どもたちの衣類は新品はほとんど買えず、毛玉だらけのボロ着であるのに、札幌市内の市営バスの中でお年寄りはピカピカの生地の衣類を身に付け、交通費も優遇される光景・・・。
非正規雇用の勤務時、小さな子どもたちを抱えて保育園の送り迎えに疲れきった体で、その瞳で、不思議に思いながら、ぼんやりと見つめていたことが強く記憶に残っています。
これから妊娠出産、子育てする皆さんにあんなにわびしい思いをしてほしいとはとても思えません。
今の日本の少子化の現状は、社会福祉の様々なことを間違えているのだと思います。
本事業は、まだまだ手探りでの展開となりますが、これからの未来の社会ではあって当たり前のサービスになると考えています。札幌市で継続できるよいモデルケースとなるよう、多くの皆さまに応援いただければと思います。
私たち、子どもたち、そして孫たちの世代が本当に幸せな子育てができる、北海道の持続可能な未来を願い、本事業を推進して参ります。